MULTI HAMMER 製作vol.1
ペグハンマー制作のきっかけは、
子供達と全力で楽しみたいという思いから。
家族でキャンプをする時、子供たちは大人のまねをしたがり、ペグうちやペグ抜き、薪割りなどは、特に子供たちにとっても楽しいイベントの一つになるでしょう。でも、どれも力がいる作業で、しかも結構危険なので、大抵大人の男性であるお父さんの仕事になってしまう。子供たちに体験させてあげたい気持ちはあっても、なかなかハードルが高いなぁ。
自身のそんな経験から、製作に動いたのは、株式会社UNITYの 日越さん。
子供たちがキャンプを思いっきり楽しめるような、便利なハンマーがあったらどうだろうか。少ない力でも簡単に使えて、安全性もあるもの。これ1本で様々な力作業が楽になるような…そんなことを考えていたら、設計図を描き始めていたそうです。
ペグ抜きをもっと簡単にしたい。
(株)Unity 日越
最初に考えた形がこれでした。形としてまず、ハンマーとペグ抜きが一緒になっているものは多いんだけど、どうも売っているものは、ペグが抜きづらいなぁと感じていたので、なるべく力を入れずに、子供でも抜けるようにしたかったんです。
そこで思いついたんが、テコの力を使って真っ直ぐ抵抗なく抜くためのこの構造だったんです。(試作No.1)
(株)Unity 日越
真っ直ぐペグが抜けるように、フック部分が稼働するように作ってはみたんですが、これが思ったように動かなくてね。(力点と作用点の距離が縮まるから、ペグを十分に引き抜く距離が保てなかったんです)
それに、部材を2つに分けているから、強度が心配だったのと、コストもあがってしまいそうやったんで、もう一度形を練り直しました。
色々と試行錯誤していく中で、図面や模型と睨めっこが続いたそうです。ここで、日越さんは、鉄製品に詳しい上田製作所の上田さんへ相談。ひとつの解決策が見えてきました。
町工場さんと一緒に考えて解決策が見えてきた
(株)Unity 日越
強度やコストのことを考えて、このままやとあかんなぁと思って、上田さんと話をしていたんです。
上田製作所 上田
日越さんがこれを持ってこられた時は、「これいいじゃん!」と思いましたね!さすが日越さんやなぁと。ただ確かに、部材2つやと、コストもかかるから、一体型にするのが良いかもという話になりました。
(株)Unity 日越
一体にするんやったらもっと曲線的にすることでかっこよくなるかなぁと考えて図面を描いてみたんです。そうしたら結構、理にかなったイメージができたなぁと思いましたね!(試作No.3)
つくる側の町工場さんの意見をもらって、よりいい形へ進化していきました。
考える側と、作る側の意見を交えながら、こんなふうに一緒につくっていくことがとても楽しいのだと、お二人はおっしゃいます。
一体型にすることで、新しい機能が!
(株)Unity 日越
この形にしてみたら、背面部分を工夫すれば、薪割りに使えるかも!と思いついてちょっと削ってみたんです。
上田製作所 上田
ここが刃物みたいになっちゃうと安全面が良くないんで、ちょっと鋭利にするくらいにして、鉈のように重さで薪ごと叩いて割るような使い方したらいいかもって話になりました。
(株)Unity 日越
1本で3つ機能ができたから、これはなかなか他になくて面白いものにできそうやなと思いました。ここからはこの形をベースにまた何個も試作を重ねて行ったんですがね。。。
こうして大枠の形と機能が固まったようです。ここからは、細やかな修正をなん度も重ねて行ったそうです。